私の人生で体験した最もブラックな企業は、美術関係のMという職場です。とても小さな事務所で社員の人数も20人程度でした。
入社当初は有限会社だったのですが、途中でNPO法人の申請に通ったらしく、NPO法人という名前を掲げて商売をしていました。
代表者が「NPO法人の方が税金も浮くし、何より見栄えがいい」という適当な理由での法人変更だったようです。
この代表者がくせ者で、某大学の教授だったのですが、壮大な計画だけを述べて社員に丸投げし、上手くいかなくなると新入社員のせいにして自分は雲隠れするというような人物でした。資金繰りもたいへんで毎日が自転車操業。
どんどん人が辞めていきました。その辞め方も正式なものではなく、ある日突然来なくなる、という人ばかりでした。そして、変更した法人各ですが当初3年間は税金の優遇があるのですが、NPO法人とはいえ3年目以降は収益があれば納税が必至でした。
代表は、この事実を知らなかったようで3年目に税金を支払う必要があると知ると、今度はまた、NPO法人を辞めると言い出しました。辞める。
というのは簡単ですが、そうなったら総会の開催や資料作り、登録削除などの面倒な作業が多く、しかも代表自身が適当すぎたために、担当者がパンクしてある日突然出社しなくなり、私も退職しました。あれからすぐに事務所は閉鎖に追いやられたそうです。
今でもあの時の職場を思い出すだけで胃が痛い思い出です。